高校及びユースサッカーのリーグ戦

高校年代のサッカーと言えば、全国の選手権サッカーインターハイをすぐに思いつく人は多いと思います。

しかしながら育成年代で最も重要なのはやはり一年を通して戦うリーグ戦。今回はユースと高校世代のリーグ戦の構成や仕組みを少し取り上げたいと思います。

 

最近は少しずつ有名になっているのは高円宮杯U-18プレミアリーグですが、このリーグを頂点としてどういう仕組みになっているか、私も調べながらまとめていきたいと思います。

高校・ユース世代の基本的構造

昨年(2022年)の12月11日に高円宮杯U18プレミアリーグファイナルとして、サガン鳥栖U-18(WEST 1位)川崎フロンターレU18(EAST 1位)が国立競技場でNO.1をかけて戦ったのが記憶に新しい。

このプレミアリーグは高校及びユース世代の最高峰のリーグとなっており、多くのチームはここの参入を目指して戦っていると言って良いでしょう。

  1. プレミアリーグファイナル(全国NO.1決定戦)
  2. 高円宮杯JFA U-18 プレミアリーグ・・・WEST 12チーム、EAST 12チーム
  3. 各地域プリンスリーグ(北海道・東北・関東・北信越・東海・関西・中国・四国・九州)
  4. 各都道府県リーグ(1部~4部など地域により異なる)←地域リーグ(都県による)

今年のジュニアユースU15世代の子供たちは、現在の自分のサッカーでの立ち位置を見ながら、高校やユースでどのカテゴリーでサッカーをするのか、非常に難しい選択でもありますね。

今回は東京都、及び関東を見ながら各カテゴリーを取り上げたいと思います。

高円宮杯JFA U-18 プレミアリーグ

最初にも書いた通り、高校及びユース世代のリーグ戦における最高峰はJFA U-18プレミアリーグです。現在は東西各12チームで計24チームで構成されています。

2023年のチーム構成

まずは今年の24チームを見ていこう。

NO WEST EAST
1 横浜FCユース(神奈川県) 旭川実業高校(北海道)
2 静岡学園高校(静岡県) 青森山田高校(北海道)
3 ジュビロ磐田U-18(静岡県) 尚志高校(福島県)
4 名古屋グランパスU-18(愛知県) 前橋育英高校(群馬県)
5 履正社高校(大阪府) 昌平高校(埼玉県)
6 ヴィッセル神戸U-18(兵庫県) 大宮アルディージャU18(埼玉県)
7 米子北高校(鳥取県) 市立船橋高校(千葉県)
8 サンフレッチェ広島FCユース(広島県) 柏レイソルU-18(千葉県)
9 東福岡高校(福岡県) 流通経済大学付属柏高校(千葉県)
10 サガン鳥栖U-18(佐賀県) FC東京U-18(東京都)
11 大津高校(熊本県) 川崎フロンターレU-18(神奈川県)
12 神村学園高等部(鹿児島県) 横浜F・マリノスユース(神奈川県)

このプレミアリーグは東西を地域で区切るのではなく、既存のチーム及び参入戦で勝ち上がった24チームを東西で分けている影響もあり、今年は横浜FCユースWESTに区分されています。

鹿児島県から神奈川県まで移動が大変ですね。とはいっても、EASTも北海道は旭川、青森、福島~神奈川県まで分布しているので、このプレミアリーグはなかなか大変です。

そしてこの東西の各1位が、12月に全国NO.1をかけてプレミアリーグファイナルを戦います。

2022年の順位

昨年度の順位は下記の通りとなっている。

まずはEASTから。

順位 チーム名 勝点 試合数 得点 失点 得失点差
1 川崎フロンターレU-18(神奈川県) 47 22 14 5 3 51 20 31
2 横浜F・マリノスユース(神奈川県) 40 22 12 4 6 64 42 22
3 大宮アルディージャU18(埼玉県) 39 22 12 3 7 35 24 11
4 青森山田高校(青森県) 36 22 11 3 8 29 23 6
5 FC東京U-18(東京都) 35 22 11 2 9 41 36 5
6 前橋育英高校(群馬県) 29 22 8 5 9 42 34 8
7 横浜FCユース(神奈川県) 27 22 7 6 9 35 40 -5
8 流通経済大学付属柏高校(千葉県) 27 22 7 6 9 17 23 -6
9 柏レイソルU-18(千葉県) 25 22 7 4 11 33 40 -7
10 市立船橋高校(千葉県) 25 22 6 7 9 22 37 -15
11 JFAアカデミー福島U-18(静岡県) 21 22 6 3 13 26 43 -17
12 桐生第一高校(群馬県) 18 22 4 6 12 28 61 -33

首位のフロンターレはファイナル戦へ。10位の市立船橋高校はプレーオフ戦へ、そして11位JFAアカデミー福島及び12位の桐生第一高校は自動降格となっている。

次にWEST、

順位 チーム名 勝点 試合数 得点 失点 得失点差
1 サガン鳥栖U-18(佐賀県) 43 22 13 4 5 54 28 26
2 ヴィッセル神戸U-18(兵庫県) 43 22 13 4 5 51 28 23
3 ジュビロ磐田U-18(静岡県) 36 22 11 3 8 51 47 4
4 静岡学園高校(静岡県) 34 22 9 7 6 44 36 8
5 名古屋グランパスU-18(愛知県) 34 22 10 4 8 35 34 1
6 大津高校(熊本県) 32 22 9 5 8 34 40 -6
7 サンフレッチェ広島F.Cユース(広島県) 31 22 8 7 7 35 34 1
8 履正社高校(大阪府) 28 22 8 4 10 44 43 1
9 東福岡高校(福岡県) 24 22 7 3 12 20 44 -24
10 セレッソ大阪U-18(大阪府) 22 22 6 4 12 51 49 2
11 清水エスパルスユース(静岡県) 20 22 4 8 10 38 50 -12
12 ガンバ大阪ユース(大阪府) 20 22 5 5 12 31 55 -24

こちらも首位のサガン鳥栖はプレミアリーグファイナルへ、10位セレッソ大阪はプレイオフ、そして11位清水エスパルスユース、12位はガンバ大阪ユースは自動降格となります。WESTの下位3チームは全てJ下部とは少し驚きです。

プレミアリーグプレイオフ(2022年)

上記の結果及び各地域プリンスリーグの結果に基づき、プレミアリーグプレイオフ(参入戦)が行われています。参入チームは下記の通りです。

NO チーム名 リーグ NO チーム名 リーグ
市立船橋高校 プレミアイースト10位 セレッソ大阪U-18 プレミアウエスト10位
旭川実業高校 北海道プリンス1位 札幌大谷高校 北海道プリンス2位
尚志高校 東北プリンス1位 昌平高校 関東プリンス1位
帝京高校 関東プリンス2位 帝京長岡高校 北信越プリンス1位
日本文理高校 北信越プリンス2位 ツエーゲン金沢U-18 北信越プリンス2位
浜松開誠館高校 東海プリンス1位 興国高校 関西プリンス1位
京都サンガU-18 関西プリンス2位 米子北高校 中国プリンス1位
岡山学芸館高校 中国プリンス2位 愛媛FC U-18 四国プリンス1位
神村学園高等部 九州プリンス1位 V・ファーレン長崎U-18 九州プリンス2位

18チームを6つのブロックで戦い、勝ち抜いたチームがプレミアリーグに参入可能になっています。

上記の青色の文字で書いたのが2023年の参入チーム(市立船橋は無事残留ですね)です。戦いの詳細は公式を参照してください。

 

各地域プリンスリーグ

各地域プリンスリーグ

高校最高峰のリーグ戦の高円宮杯U-18プレミアリーグに次ぐリーグ戦は各地域のプリンスリーグとなっています。

 

北海道プリンスリーグ 1部制8チーム 北海道コンサドーレ札幌U-18
札幌大谷高校 他
東北プリンスリーグ 1部制10チーム ベガルタ仙台ユース
モンテディオ山形ユース 他
関東プリンスリーグ 2部制各10チーム(計20チーム) 帝京高校
浦和レッズユース 他
北信越プリンスリーグ 2部制(1部10チーム、2部8チーム計18チーム) 帝京長岡高校
アルビレックス新潟U-18 他
東海プリンスリーグ 1部制10チーム 清水エスパルスユース
藤枝明誠高校 他
関西プリンスリーグ 2部制各10チーム(計20チーム) 興国高校
ガンバ大阪ユース 他
中国プリンスリーグ 1部制10チーム 岡山学芸館高校
ファジアーノ岡山U-18 他
四国プリンスリーグ 1部制10チーム 徳島市立高校
徳島フォルティス 他
九州プリンスリーグ 2部制(1部10チーム、2部7チーム計17チーム) 日章学園高校
V・ファーレン長崎U-18

以上、9つの地域に分かれてプリンスリーグのリーグ戦が実施されています。

プレミアリーグほどではありませんが、地域によっては移動が大変ですね。

ここから上位1チーム、もしくは2チームプレミアリーグプレーオフへの出場権が得られます。やはり関東や関西の1部はJユースチームや名門高校も多く激戦ですね。

次に関東プリンスリーグの構成を取り上げておきましょう。

関東プリンスリーグ

今年の関東プリンスリーグの20チームは下記の通りです。

昨年より2部が創設されて、昨年は1部10チーム、2部は6チーム構成となっていましたが、今年は5チームの昇格で2部も10チーム構成となっています。

1部 2部
1 浦和レッズユース(埼玉県) 1 桐光学園高校(神奈川県)
2 桐生第一高校(群馬県) 2 山梨学院高校(山梨県)
3 帝京高校(東京都) 3 國學院大學久我山高校(東京都)
4 東京ヴェルディユース(東京都) 4 流通経済大学付属柏高校B(千葉県)
5 鹿島アントラーズユース(茨城県) 5 桐蔭学園高校(神奈川県)
6 三菱養和サッカークラブユース(東京都) 6 水戸ホーリーホックユース(茨城県)
7 高崎健康福祉大学高崎高校(群馬県) 7 西武台高校(埼玉県)
8 鹿島学園高校(茨城県) 8 栃木SC U-18(栃木県)
9 ヴァンフォーレ甲府U-18(山梨県) 9 矢板中央高校B(栃木県)
10 矢板中央高校(栃木県) 10 前橋育英高校B(群馬県)

2部の太字は各都県リーグからの昇格です。

各都道府県リーグ

次に、高校及びユース世代のベースになるリーグはこの都道府県リーグと言って良いでしょう。但し都道府県によってはその下に地域リーグがあったりします。

ここはプリンスリーグ以上に都県によって運用は異なりますので、とりあえず東京都、神奈川県を取り上げてみたいと思います。

神奈川県リーグU18の場合

例えば神奈川県の場合は、県リーグのみとなっています。

昨年までは県1部~4部まででしたが、今年から1部~6部までの構成になるようです。
※5部、6部詳細は5月下旬発表予定
2022年(昨年)を例にとると、
  1. 1部 10チーム
  2. 2部 10チーム
  3. 3部 40チーム(4ブロック)
  4. 4部 220チーム(26ブロック)

計280チームの構成です。かなりの規模ですね。

県1部リーグには日大藤沢高校東海大相模高校など強豪高校や湘南ベルマーレU-18のJユースがひしめいていますね。

東京都Tリーグ U18

東京都の場合は神奈川県と少し異なります。

  1. 東京都Tリーグ U-18  1部~4部 (各10チームで、3部4部は2ブロック制で計60チーム)
  2. 東京都地区トップリーグU-18 4グループ(計40チーム)
  3. 東京都地域リーグ(1地区~8地区)チーム数未確認

という構成になっています。

基本的にはジュニアユース世代で本格的にサッカーをやってきた選手たちは東京都Tリーグ一択でしょうね。

こちらも堀越高校関東一高などの強豪チームがいます。

上位リーグへの昇格(関東プリンスリーグ2部の参入戦)

東京都、神奈川県(関東8都県全て)とも各1部リーグ1位のチームのみが関東プリンスリーグ2部への参入戦への出場資格を得ることが出来ます。(自動昇格ではない)

昨年(2022年)は12月17日~21日に行われています。

【参入条件】

2部リーグ昇格チーム数については、プレーオフに参加する関東地域のチーム
市立船橋、昌平、帝京の3チームの結果により確定する
①3チームともプレミアに昇格・・・6チームがプリンス2部に参入
②2チームがプレミアに昇格・・・5チームがプリンス2部に参入
③1チームがプレミアに昇格・・・4チームがプリンス2部に参入
④プレミア昇格が0チーム・・・4チームがプリンス2部に参入

と、プレミアリーグの参入数に影響を受ける形となっていましたが、結論から言うと、市立船橋高校及び昌平高校がプレミアリーグ入り(船橋は結果として残留)になってので②の5チームが昇格となりました。
プリンスリーグの項でも書きましたが、昨年は2部は6チームで今年より10チーム構成となった影響もあり、比較的例年と比べて参入障壁は低かったと言えるでしょう。
関東8都県のチームが戦って5チームが関東プリンスリーグ2部昇格となっています。
昨年の関東プリンスリーグ参入戦の結果は下記を参照してください。(外部サイトです)

まとめ

今回はプレミアリーグ及び各関東のリーグを取り上げてみましたが、今後気になる都県、地域のプリンスリーグを取り上げたいと思います。

私の知り合いのパパ友達の子供たちも、多くの高校(一部J下部含む)に進学しています。

プレミアリーグ~東京都リーグ及び神奈川県リーグ含め、進路は様々、そしてプレミアリーグ参入している高校に行ったとしても、高校の場合、150~200名以上の部員を抱えている高校も多いです。

本当に進路は悩ましい問題が多くありますが、当サイトでも、より参考になる情報を取り上げたいと思います。